SSブログ

スタバジャパンCEОが語る買収劇の舞台裏【スタバ新作メニュー】の影響は?いかに。

スタバ・ジャパンCEOが語る、買収劇の舞台裏

image.jpg
関根純(せきね・じゅん)●1947年生まれ。1970年伊勢丹(現・三越伊勢丹)に入社、2005年に執行役員。2009年札幌丸井今井社長を経て、2011年から現職



米スターバックス本社が9月23日、TOB(株式公開買い付け)によって、スターバックス コーヒー ジャパン(SBJ)を完全子会社化すると発表した。TOB成立後、SBJは上場廃止になる見通しだ。
デフレ下でも右肩上がりの成長を続けてきたSBJ。今後、米国本社の意向が強くなり、日本法人の独自性が失われることはないのか。今後の成長戦略への影響やSBJ創業社長の角田雄二への思いなど、関根純CEO(最高経営責任者)に直撃した。
■ 8月上旬に米本社から説明を受けた

 ――米本社の完全子会社化によって、上場廃止になる。株主からの反応は? 

 寂しいという反応をされる株主も多い。われわれには11万人超の株主がいて、今年の株主総会にも7000人が参加した。株を持っていることでスタバにつながっていたいという人が多い。そういういう意味で、(完全子会社化による上場廃止は)私自身も残念に思う。

 だが、自分たちで決められることではない。大株主2社(米スタバ本社とサザビーリーグ)の考えに基づいて、それが適切かという判断を第三者委員会で判断してもらった。

 ――サザビーリーグのリリースには、7月下旬に米スタバ本社と合意したとある。

 その時点では聞いていない。僕が情報をもらったのは、8月上旬に入ってから。両株主から同じタイミングで説明を受けた。基本的には「これから先もリードしてくれ」「それが今回のディールをやるうえで、大きなポイントだ」と強く言われた。辞める理由もないので、「やります」とお伝えした。

 一般的にこういうことが起きると、情報の漏洩リスクがある。できるだけ早いタイミングでということで、全体のプログラムを進めてきた。

おしゃれな本社店舗の入り口

image.jpg
 ――SBJの業績が右肩上がりにある中で、上場廃止となる。

 大きなポイントは、上場した時に米本社と20年間の包括的なライセンス契約が結ばれて、2021年にそれが終わるということ。毎年の有価証券報告書にも載せている。これは大きな事実で、そろそろ米本社とのこの先の関係を考えなくてはいけなくてはいけない時期だった。

 ただ正直、何らかの決断をいつのタイミングで下すかという話は、サザビーや米本社の意向によるところが大きい。われわれの知るところではないので、(両社併せてSBJ株の)80%を持っている人たちが決めたことを粛々とやっていくしかない。

■ 資本構成が変わるだけ

 ――完全子会社化に対する米本社の考えは? 

 私がCEOに就任して3年経つが、株価も3倍になった。資産総額も大きくなった。数年前だと400億円で完全子会社化できたが、(今は株価の上昇によって)1000億円近いカネを本社は出すことになる。

 米本社の取締役会で、これだけの投資をする勝算、将来性があるという判断がなされた。そういうことを前提として考えたとき、日本のビジネス自体が将来、今まで以上に成長するという確信がないと、この決断はできない。

 「日本は独自のビジネスモデルをしっかりつくって、世界各国のどの現地法人よりもすばらしい形でやっている」と米本社側は評価してくれている。「これを変えるつもりは更々ない。資本構成が変わって、上場廃止になるだけだ」と米本社側は強調している。

 ――社内外の反応はどうか。

 どういう風に反応するのか、心配もあった。われわれの力の源泉はパートナー、つまり、現場の従業員だ。彼らがどういう受け止め方をするのか。リリース発表後、行ける店舗には行き、電話もかけまくった。本社で社員全員を集めて事実関係を伝えたり、先日は大阪のオフィスに行ってきたり。こういうアクションの中で、皆に「何も変わらないよ」と伝えた。ネガティブな反応はなかった。


スタバ・ジャパンCEOが語る、買収劇の舞台裏2

image.jpg


 取引先も非常に前向きにやってくれているので、ありがたかった。どういう展開になるのかわからないので、もっと大変かと思っていた。自分のスケジュールを空けてやってきたが、意外と淡々としているという印象だ。

 ――今後の出店戦略に影響はないのか。

 社員に強調したのは、1000店がチャプター1としたら、これから第2章が始まるということ。これまで「beyond 1000 stores(1000店を超えて)」という中期計画を作って、気づいたら1000店を超えていた。

 出店目標もワンステップ上げて、それができるインフラ整備を進めてきた。今年度も出店計画(70店)を上回るペースになりそうだ。現在の出店戦略にネガティブ要素はない。来年夏には鳥取県にも初めて出店する。

 ただ、全国制覇といっても、「東京でも江戸川区、荒川区にない」と言われる(笑)。今後の可能性はまだまだ問題ない。1500店か2000店かという数字ではなく、手応えを感じている。地方自治体から引き合いの声もある。

■ 契約の ゲージ が取り払われる

 ――これまで米本社との関係性はどのようなものだったのか。

 ライセンサーとライセンシーという関係を持つと、どこかで成長の形について一つの壁があると感じていた。ライセンシーである以上、分厚い契約書に縛られた中で成長戦略を描かざるをえない。

 いつも米本社と調整するとき、これをやろうとしたらダメ、あれをやろうとしたらダメという。まるでゲージ(おり)に入っているようなもの。契約の中に項目がないので、覚書を作らなくてはいけない。プログラムをやるうえで、正直、だましだましやってきていたこともある。

 ――今回のTOBが成立したら、その関係も変わると? 

 足かせになっていた壁が取り払われる。11月には米本社があるシアトルでミーティングもあるので、現実的にどうやっていくかということを考えていきたい。

――米本社の引き締めが強くなる懸念も考えられる。

 基本的には、トップマネジメントを変えるということもない。米本社は今、ティバーナという紅茶専門店やパン屋を買収したり、向こうとしても企業を大きくしようとしている。だが、そこでやっているものを日本に持ってくるという考えはまったくない。日本に合うかどうかを見極める必要がある。無理矢理に日本に押し付けてやることはない。

 ――創業社長の角田雄二氏が取締役から外れることになった。

 それは第1章の終わり、これからの第2章ということともつながる。日本にスタバを持ってきた貢献者だし、米本社のハワード・シュルツCEOも「雄二さん」と慕っている。米本社もサザビーに対する感謝の気持ちとフレンドシップを維持していこうと明言している。

 これまでは雄二さんとのコンビネーションで、彼の力を120%使いながら、自分が責任を持ってやっていくというスタイルだった。雄二さんとしてもブランドを強くしようという思い入れは強かった。

 そういうコンビを組んできたので、彼がいなくなるのは一抹の寂しさはある。だけど、雄二さん73歳、僕67歳だから。ジジイがいつまでもリードしているのは会社としておかしい。

■ 成人式までSBJを見届けたい

 ――関根さんはいつまでトップでありたいか。

 SBJが15歳の時に私が来た。この時期は人間と同じで一番大事な時期。背ばかり伸びて、まだ筋肉もついていないし、自我も確立していないというのが、僕が来た時の15歳のスターバックスだ。

 それが今すごく成長しているし、健全ないい大人になりたい。20歳の成人式は見届けたいと思っている。今、それに向かっていろいろな仕掛けが動き始めている。さらにワクワクする形にしたいと思っている。個人株主様には、株主という関係から離れるのは非常に辛いし、迷惑をかけるかもしれないけれど、引き続きウチのファンでいてくれたらありがたいなと、そういうメッセージが伝えられればと思う。

※ 詳しくは「週刊東洋経済」2014年10月11日号<10月6日発売>掲載の「核心リポート02 突然、偶然、それとも必然?  スタバ完全子会社化の真相」をご覧ください 。

【元タリーズジャパンCEО松田公太氏は語る】
image.jpg
スターバックスコーヒージャパンの買収

image.jpg

先日、スターバックスコーポレーション(米国本社)が、日本で展開を委託しているスターバックスコーヒージャパンを完全子会社化するという発表がありました。

日本のスターバックスは、米国スターバックスと日本のサザビーリーグが50%-50%で設立した会社。
私は、米スタバの他国での展開を見ていて、日本もいずれは買収されるのではないかと思っていましたが、それが的中した形です。

米国サイドの意図や世界戦略については後日アップするとして、このニュースは私にとっても感慨深いものでした。

シアトルで私が交渉したコーヒーチェーンは10社以上ありますが、その中にスタバが含まれています。手紙を送っても、メールをしても、全くなしのつぶて。諦めずに日本のコーヒー事情など、様々な情報を提供し続けて「私にやらせてください」と交渉をしたのですが、最後に「色々な情報を教えてくれてありがとう」とFAXが一枚届いて、終わりでした。勿論、その時は既に水面下でサザビーとの契約があったので、相手にされるわけがありません(そうでなくても、金もない・経験もない・コネもない28歳を、既に数百店舗を所有する大手チェーンが相手にする筈がありませんが(笑))。

その後は、シアトルズ・ベスト・コーヒー(後にスタバにより買収)、カフェ・ダルテ、カフェ・ビバーチェ、カフェ・アパシオナート、そしてタリーズコーヒーと様々な会社と交渉しました。上記の会社は全て経営者と会うことが出来たのですが(シアトルズ・ベストだけは、既に200店舗の大手だったので副社長レベル)、最後は小さなローカルチェーンのタリーズ(当時4,5店しかありませんでした)に惚れ込み、何とか営業権を取得することができたのです。

しかし、長期で見た場合、5年更新の営業権(最初は1年)で事業を続けるのはリスクがあると思いました。そこで、タリーズを安定的に成長させるために、最初はIPO(上場)によって得たお金を全て使って焙煎権を買い取り、次に卸売権を買い取り、その数年後には多額の借入をしてIP(日本での商標権)を買い取り、完全にタリーズコーヒージャパンを「日本の会社」として確立させることができたのです。

そのような道を歩まなかったスターバックスコーヒージャパン。タリーズと真逆で、完全にアメリカの会社となる道を選んだのです。

勿論、その方が正解だと言えるかもしれません。少なくともサザビーは今までの利益と、多額のキャピタルゲインを得る事が出来た訳です。
それに比べると、多くの個人リスクを取って長期的な投資をした分、私のキャピタルゲインはかなり小さいものですが、それでも日本の会社として安心して業績と店舗数を伸ばし続けている姿を見て、その判断は正解だったと思っています。

次の20年で、良きライバルであるスタバとタリーズがどうなっているかを見守るのも、産みの親、そして青年期までの育ての親として大変楽しみにしています。

タグ:スターバックス
タリーズ
松田公太

【いいね!で日給2万円!!!~副業から始める新感覚ネットビジネス】
こちら
https://www.viral-manager.com/aff/170534/1902/





nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。